アメリカはマッチョ文化
制度は男尊女卑だけど、文化・社会は男性否定的
よくあることなのですが、アメリカのリベラルの人は日本の社会制度、特に管理職における女性比率や平均給与などの統計的情報だけを見て、日本は男尊女卑の差別社会であり、もっと女性の権利を高めないといけない。とか言う人がいます。
企業における女性管理職比率などのスペック的なことに関しては確かにそのとおりだと思います。
ただし、文化的なことに関して言えば、日本という国は第2次大戦以降一貫して男性的な価値を否定する文化が続いてきました。(念のために申し上げますが、私は別に右翼ではありません)
そのことが、会社などのヒエラルキーでは男性が居場所があっても、家庭や地域社会において男性の居場所がない、という事態を作っているともいえるのではないか、と愚考する次第です。
アメリカの文化はマッチョ文化
私の英語の先生(男性)が、少し日本の文化で奇異に感じたのは、
異様なくらい「男のにおい」(加齢臭 kareisyuu)を人々が気にしている、ということです。
その先生のお父様はトラックドライバーで、1週間に2,3回シャツを替える程度だったのですが、そのシャツの匂いに対して、「父のにおい」と懐かしく思うだけで、全くネガティブな記憶はない、と言っていました。
その先生はそのにおいを「musk」と表現していました。muskは中立的な表現でとくにマイナスの意味はありません。日本で男性の匂いに対して「kareisyuu」とかなりマイナスのイメージがあることにびっくりしていました。
一般的に我々日本人がイメージするアメリカ文化は半分近くがカリフォルニアなどの西海岸文化
・IT
・ヨガ、自然食品
・ニューエイジ(スピリチュアル)
・LGBTに寛容
が多いので勘違いする人もいらっしゃるとは思いますが、アメリカ文化の基本は戦後日本よりもはるかにマッチョ肯定文化です。
州によっては大人の男性がスクーターや軽自動車に乗ることは「女っぽくて恥ずかしい」とみなされるところすらあります。
そのあたりを知らない人はなぜ、トランプがあれだけアメリカで支持されるのか理解できないでしょう。
(別に私はトランプを支持しているわけではありません)
特に(immature,innocent,pure)をやたら強調する「かわいい」文化はアメリカでは異様に感じられるでしょう。(このあたりは同じ外国でも「かわいい」を受け入れる土俵がある東アジアと、「自立」「成熟」に重きをおくアメリカ文化では大きく違います。私のアメリカ人の先生はいわゆる「かわいい」を演じているアイドルの女の子を見て、「なんで自分が幼くて世間知らずであることをあんなにアピールするのか」と本気で不思議がっていました。)
発達凸凹の人は男性原理が苦手
一方、日本の発達凸凹の人の多くの人に見られるのですが、男性的価値観に同一化することに拒否反応を示したり、そのような社会から自分を隔離することに必死な人が多いです。
いわゆる、幼くて(immature)、無邪気(innocent)、純真さ(pure)な「萌え美少女」に自分を同一化させてそこから出られない人が多いです。そういう意味では対称的な社会といえるでしょう。
かわいい女の子がペチャペチャしゃべっているだけで、一切男がでてこないアニメをずっとみていたりします。
二次元だけでなくAKBなどの3次元のアイドルが好きな人も同じ傾向があります。
男性原理が実際には認められていない
単純な、「男性原理に対して自己同一化できなかったから『大人』の社会人になれないのだ、という古典的な理論を言っているわけではないし、事態がそんな単純なわけではないというのもわかっています。ただし、一つ言えるのは、現代の日本が社会の中でうまく尊敬される「大人の男性」のイメージがあまり持つことができていない、という問題が彼らにある程度影響を与えているのではないか、ということです。