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「確率分布と統計的な推測」が必須化

2022年度から学習指導要領での新課程が始まります。

数学での大きな変化として、今までは数Bの範囲に入っていた「確率分布と統計的な推測」が必須化したことです。

今まではこの単元は教科書には載ってはいたのですが、大学入試の数学の問題として採用するところはほとんどなく、それゆえ高校の授業でもほとんど無視された存在でした。この単元が必須化されます。

その理由としては、ビッグデータの活用や機械学習などの分野で統計学を理解することが必須のスキルとなってきており、統計学の重要性が上がってきているということがあるでしょう。経済学などでも、もはや統計学ができないとどうしようもないところまできているのかもしれません。文系でも統計学が必須スキルになる日も近い(もうなっている)でしょう。ですから、文系も履修する数Bでの必須化ということなのでしょうか。

くわしくはこのサイトにて。

 

 

迫害される線形代数

一方、それに引き換え、以前は高校から大学にかけての数学で花形であった、線形代数はどんどん高校の課程から弾かれていっています。以前は高校数学の課程に、

・二次曲線

・行列

・一次変換

・ベクトル

が入っていたのですが、2021年現在はベクトルを除いてすべて高校の課程から消えています。

そして、2022年の課程からはベクトルは消えたわけではないのですが、数Cに移動することになりました。

このサイトによると、数B=文理共通、数C=理系科目という単純な話ではないようなのですが、それでも文系選択の人は一生ベクトルを習わない可能性がでてきたわけです。

ベクトルや行列なのの線形代数は工学系などでは必須である一方、文系の科目では使わないこともあります。同じ数学でも統計学を使った分析(経済学だけでなく、心理学や考古学などでも使うのが当たり前になっています)は文系科目でも盛んなのでこの流れは当然だとは言えますが、ベクトルすら習わないというのは寂しいものがあります。私は数学の中では線形代数が比較的得意だったので、残念です。

ベクトルは物理の力学とも関係あるので習わないと問題があると思うのですが・・。

 

ASDの人が好きな分野の一つ

昔担当していた生徒のお父様が統計学の専門家の方がいらっしゃいました。統計学もASDの方と非常に親和性が強い分野です。

こだわりがいい方に出ればいいのですが、悪い方にでると、自分で自分を苦しめたり、あるいは他者に辛くあたったりします。