イラストAC 雪子様

前回はダメな心理屋さんについて語りましたが、今回もダメな人についてです。

 

ダメなお飾り理事長

これは東日本大震災直後の話ですが、私は大阪の心理の世界では有名な心理士養成所の講演会に行ったことがあります。正確に言うと、心理の人の勧めでたまたま行ってしまったのですが・・・。

まず、最初にその団体の理事長の人の講演があったのですが・・・・

本当っっっっっっっっに残念な人でした。

かなり年寄りの男性で、年寄の話特有の、話しに焦点がなく、何が本題なのかわからない話を延々と続けていました。

さらに、いきなり、

アメリカの文明は単純。アメリカの文明はユダヤの文明。全部ユダヤで説明できる」とかいい出しました。

こころの中で、「あんたがアメリカのこと知らんだけやろ」とつっこみました。

知っている人なら常識でしょうが、欧米で「ユダヤ陰謀論」を言うと、人種差別主義者だと思われます。ユダヤ陰謀論がユダヤ人差別に結びついた歴史があるからです。

さらに言う必要もないかもしれませんが、アメリカにはヒスパニックもクエーカー教徒も、アーミッシュも福音派もモルモンもクリスチャン・サイエンスもその他山のような個性的な文化があります。私が英語を習っているアメリカ人(ニューヨーク出身)は生まれ育った地区のすぐそばにアーミッシュの部落があって馬車で生活していたそうです。

この程度の人が理事長をやっていたのか(おそらく天下りでしょうが)、と愕然としたことを覚えています。

 

理事長「それに比べて日本は複雑で、様々なケースがある。日本の方が難しい

こころのなかで、「そりゃいろんな個人がいるやろ。それに応対するのが仕事やろ」とツッコミました。

本来の持ち時間を遥かにオーバーしても気が付かず(これも年寄りの話に多いですよね)、無駄に話が延長していきました。

 

大体聞いていて、彼の思想の背景の価値観がすぐに見えたのですが、おそらく船井幸雄系のコンサルが言っているようなことと全く同じでした。おそらくこの手の人に心酔して、わかっていないのに受け売りで話していたのでしょう。

 

社会の縮図

さらに気になったのは、この残念なおじいさんに対して、誰も注意できないというこの団体の雰囲気でした。この理事長が明らかに残念な講演をしているのが分かっていながら、まわりのスタッフは誰一人、「もうそろそろ時間が押しているので・・」とか促して終わらせようとしませんでした。ここにこの団体の力関係(誰もこの理事長に注意できない)が見えて、社会の縮図を感じて嫌な気になったものです。

私がもう少し若かったら、「みんな日曜日という休日を潰して来ているのです。私を始めとした客に失礼じゃあないですか!!さっさと無駄な陰謀論は終わらせてください」と叫んでいたことでしょう。

 

 

おそらく外部から来た人間

他の先生と空気感が違うので、おそらく外部からお飾りでやってきた理事長なのでしょう。現場に関わっている雰囲気がまったくありませんでした。

 

 

多くは素晴らしい先生

このダメな人を引き継いだ50代くらいの大学教授をされている心理の先生は非常に素晴らしい先生でした。会場のだらけた雰囲気を、明るい話し方で一変させ、非常に和やかな講演をされました。前の理事長の無駄話で時間が押しているのに、上手に時間を短縮していました。途中明らかにメンヘラの女子の聞き手の人が最前列に入って、変な雰囲気になりそうになりましたが、うまく処理していました。この人の力には感心しました。これが本当の対人のプロなんだ、と。全体としては素晴らしい講演者が多かったです。