2017年3月にインチュニブが認可されました。
第3の選択肢
長らく発達凸凹のお子さんの薬物療法としては、「コンサータ」「ストラテラ」の2つが主に処方されていました。
ただし、よく言われているのは、「コンサータ」は少しきつい薬で、食欲がなくなったり、変にテンションが高くなったり、といった副作用を出してしまうお子さんも多くいらっしゃいました。また、「ストラテラ」は血中濃度が安定するのに2週間かかり、やめるときも同じくらいの時間がかかる、といった不都合がありました。
2017年3月に認可された「インチュニブ」によって、ようやく薬物療法において第3の選択肢がでてきたと言えるでしょう。
インチュニブとは
そして第3の薬であるインチュニブは、ADHDのなかでも特に多動と衝動性に対する効果が期待できるお薬です。グアンファシン塩酸塩徐放錠(α2Aアドレナリン受容体作動薬:非中枢刺激薬)で、前のふたつとは作用の仕方が大きく異なっています。
中略
これに対して、インチュニブは後シナプス(情報伝達物質を受け取る側:受信側)のα2Aアドレナリン受容体に結合することでイオンチャネルを閉じて情報伝達物質の漏れを防ぎます。こうすることで脳内での情報伝達効率を高め、機能不全を起こしている脳の状態をよい方向に調整します。
もともとインチュニブの主要素であるグアンファシンは高血圧の薬です。交感神経の働きを抑えて神経の緊張を取り去る働きもあります。こうした特性から、ADHDとチックや反抗挑戦障害を併発していたり、衝動性の問題が目立つ人には特に効果が期待されています。
出典:「https://www.kaien-lab.com/faq/インチュニブってどんな薬ですか?/」 2018-12-24
ということでADHDの中でも特に多動や衝動性が強いお子さんには効果があるということです。ただし副作用としてはやはり「眠くなってしまう」というのが多いようですね。
実際に効いたお子さんのケース
インチュニブが効くお子さんは、
・テンションが高くて、ゲームやアニメを見ると興奮しすぎる。
・「カッ」とすぐに怒るタイプ。衝動的ですぐに切れてしまうタイプ。
には結構効く人が多いようです。
私が担当している生徒さんの弟さん(当事者)は、すぐに興奮するタイプで、よくテンションが高くなってはしゃぎまわってどうしようもないことが多かったのですが、薬を「コンサータ」から「インチュニブ」に変えてから、そのようなことがほとんどなくなりました。(正直言うと、本人よりお母様が助かったと思います。)
もちろん人によって個人差があるとは思いますが、このお子さんはドンピシャで効いたのだと思います。第3の選択肢ができたのは本当によかったです。
- 投稿タグ
- インチュニブ