どう言ったらいいのだろう・・・

 

意思表示や感情表現が苦手な人も

発達凸凹の人の中には、自分の意思表示や感情表現が苦手な人が結構いらっしゃいます。

でも、一見無表情で無愛想に見えているときでも、心の中では様々な感情が揺れ動いています。

自閉症傾向の人がすべて他人の気持ちに無関心というわけではないし、他人と自分の気持や体験を共有(share)したくないと思っているわけではありません。いやむしろ、自分がこだわっていたり、価値を感じていることに関しては、他人とそれを共有したいという気持ちは定型発達の人よりも強いのではないでしょうか。

でも、発達凸凹の人の中には、定型発達の人にとってはあたりまえにできるような、

「これすごーい」

「面白そう。一緒にやろう」

「これ楽しそうなんだけど、あなたはどう思う?」

とか言った、感情表現意思表示相手の感情の確認、といったことが極端に苦手な人もいます。

(感情表示の意思はあるがどうしたらいいのかわからない人もいれば、感情表示をしたい自分を自分で認知できていない人もいます)

 

理系研究者の人の実話

理系研究者系に結構いるタイプなのですが、「この本、読んで面白かったから、あなたも読んで私に感想を聞かせて」と言いたいのですが、そのような勧誘の意思表示がどうしても苦手な人がいます。

そういう人がよくやる手なのですが、自分が関心をもっていて同僚に読んで欲しい本を、さり気なくその同僚の机の上に置きっぱなしにして、その同僚から「この本なに?」と話しかけてくるのを待つというのをしてくる人もいます。

これは実際にあった話なのですが、同僚の机に、自分がその人に読んで欲しい本を毎日さり気なくおいて、毎日同僚が手に取るかどうか観察している人もいました。2週間続いたそうです。

そういうのを実際に体験したら、「ありがとう、なかなか面白そうな本だね。読んだら感想を言うね」と明るく言ってあげましょう。きっと喜んでくれる(はず)でしょう。

 

 

芸術家系は「こじらせている」人が多い?

自分がそのような直接的な感情表現ができないので、「こじらせて」しまって、直接的な感情表現をする人のことを嫌ってしまう人もいます。同じことなのですが、感情表現ができない自分のことを嫌ってしまって、ちょっと卑屈なキャラクターになってしまう人もいます。これも一種の二次障害でしょうか。

芸術家タイプの人は「こじらせて」しまう人が多いです。本当は他人と気持ちを共有したいのに、稀に共有できてしまうと逆に不安になってしまって、本心と逆のことを口走ってしまったり、わざと共有しにくくするように難解な形でコミュニケーションをとろうとしたりします。

素直に褒めると、逆に不機嫌になって、「私の作品がそんな簡単に他人に理解されるわけがない」とか思っていたり、「こんなに、人に褒められていると、自分の作品が簡単に『商品』として消費されてしまう」と危機感をもってしまったりします。