抑肝散を飲んで気を鎮める

 

アニメ中毒、ゲーム中毒

発達凸凹のお子さんの中にはいわゆるアニメ中毒、ゲーム中毒になる人が結構多いです。他のことは無気力なのに、アニメになると異常な集中力を発揮して何時間も見ていて、ちょっとした作画の出来・不出来に敏感に反応し続けたり、ゲームをやりだしたら時間の感覚がなくなって、何時間何十時間もやり続けるといったことはざらにあります。ゲームをやりだしてその世界に入りこんで抜けられなくなり、学校も休んで昼夜逆転の生活をしてしまう、というのは発達凸凹の人「あるある」の典型的な体験であり、「ネトゲ廃人」といわれるような人々がたくさんいます。

 

脳が興奮しやすい

発達凸凹の人の中には脳が興奮するとその興奮状態がずっと長時間続いてしまい、冷静な状態になかなかもどることができない人が数多くいるようです。興奮状態になると時間の感覚や客観的な認知能力がなくなり、まるで催眠にかかったかのように(実際に催眠にかかりやすい人が多いです)その世界に入り込んでしまいます。専門家によっては「解離しているんじゃないか。」と言っている人までいます。何十時間もゲームをしたあとやっと我に返り、「俺ってなにやってたんやろ。」となってしまう人も少なくありません。興奮状態に入ると、自分を客観的にみてコントロールすることは難しいようです。(もちろん、そういう状態に入っているからこそできる仕事も世の中にはあるのですが、、、)

予期できないことに弱い

ゲームやアニメにはまってしまうという問題とは別に、発達凸凹の人は予期していないことが起こったときや、その人にとっては理解できない人間関係の問題が起こったときに、我慢できなくなってすぐに「カッ」と腹を立てて衝動的な行動をしてしまうことがあります。これも脳が興奮しやすいのと多少関係があるのかなと思っています。

 

抑肝散

ADHDの傾向が強い人は精神科医のお医者さまからコンサータやストラテラを処方される人が多いのですが、

  • 精神科医のお医者様が「コンサータ」「ストラテラ」の処方に批判的で使わない。
  • 患者様の方が「コンサータ」「ストラテラ」に抵抗がある。

ということで、これらを服用しない方も多くいらっしゃると思います。

 

西洋医学のお薬を使わない(使えない)方の中には、漢方を試している方もいらっしゃいます。

例えば抑肝散という漢方を服用している人もいます。

抑肝散は「虚弱体質」で神経が高ぶる時に処方される漢方で、「肝」を抑える効果があります。

東洋医学では「肝」は肝臓という意味ではなく、神経や感情をコントロールする働きがあるといわれています。

抑肝散には

  • 緊張を緩和し体をほぐす
  • イライラや神経が高ぶっているのを緩和
  • 手の震え、痙攣の緩和

このような効果があります。

特に、神経の高まり夜寝れない「小児泣き」や「疳の虫」の治療に使用されます。

出典:漢方製薬研究所|抑肝散(ヨクカンサン)とは?生薬や効果・効能副作用を知っておこう 2018/04/02

 

とのことで興奮を抑える効果があるようです。

実際に抑肝散を飲んでいる生徒さんの親御さんにうかがったところ、「効いているといえば効いているし、効いていないといえば効いていない。」という感じらしいです。(まあ漢方というのはそんなものですが、、、)

「これで多動が完全になくなる!」ということを期待するのは期待のしすぎだとは思いますが、当たればもうけものみたいな感じで試してみるのも手です。

市販で買うことのできるものではありますが、できればきちんとした漢方の先生の処方を受けたほうがいいでしょう。漢方は病気に処方するというより、症状に処方する個別化医療ですので。