自分が何をやっているのか自分でわからなくなる

 

計画が立てられない

発達凸凹の人の多くがもっていらっしゃる問題として、「自分の行動を客観的に見るのが苦手」、「予定を立てるのが苦手」というのがあります。行き当たりばったりに行動してしまって自分が何をやっているのかわからなくなり、だんだんとパニックになったり、落ち込んだりしてしまって、結局課題や目標の学習を最後まで終わることができない、ということがよくあります。

 

「見える化」する

基本的には、本人が何をやっているのか「見える化」することが解決策になることが多いです。(ただし、非常に個人差があるものであり、すべての凸凹の人に絶対に効く解決策があるわけではありません。)

比較的年少の人やメンタル的に幼い人なら、トークンを使ったり、お気に入りのキャラをすごろくなどでどの辺にいるか移動させることで、「自分がどこまで勉強(作業)したか」見える化する、というのも一つの手です。

 

知能の高さと関係ない

「自分の行動を客観的に見るのが苦手」、「予定を立てるのが苦手」というのは、本人の知能の高さにあまり関係しないことが多くて、数Ⅲを勉強したり、英語の偏差値が70を超えているようなレベルの人でも、自分の学習計画を建てられずにパニックになっている人が今までにおられました。

スマホなどの機器を使ったり、コーチングを使ったり、認知行動療法などを使ったやり方をしたり、といろいろとあるとは思うのですが、今回は非常にローテクの方法を使って成功した方法をご紹介しましょう。

簡単にできる「見える化」

それは、単にペンと紙で学習進捗表を作るだけです。

 

問題集の問題を1問ずつ並べて表にして、やった問題にチェックをいれていくだけです。もちろんExcelなどのデジタル機器やスマホアプリを使うのもOKです。人によって向き不向きがあるのですが、ことのきの生徒さんはアナログ(紙とペン)の方がとっつきやすかったようでこの形になりました。

でもたったこれだけのことですが、「これで自分が今問題集のどこまでやっているのかわかった。安心した。」といって、毎日安心して問題集を解くことに取り組むようになりました。この生徒は常に勉強するときに、自分が前日まで何をしていたのかわからなくなって、取っ掛かりがなくなって(例えて言えば、本人の主観では、移動するのにナビの地図が全部消えてどこにいるのかわからない状態)、バタバタして地に足がつかない状態になっていました。知能は高くても自分の客観的な状況把握は苦手、というひとは発達凸凹の人の中には非常に多いのです。

 

場合によってはこのような非常に単純でローテクなことでも、すばらしい解決になるということを今回は紹介させていただきました。