社会人の目線で見てはいけない
社会で厳しい環境で働いていらっしゃる方ほど、発達凸凹のお子さんに対して「こんないい加減にしていたら社会で生きていけない」と思ってしまう傾向があります。しかし、一般的には特性の人を社会人から見た目線でみることはあまり良い結果をもたらしません。
昭和の時代の先生の怒り方
今でこそ「発達障害」という言葉は教育関係者や親御さんの間で「それなり」に認知されてきましたが、昭和の時代や平成の初期はそうではありませんでした。発達凸凹のお子さんは、
学校で
- 必要な提出物をいつも忘れる子
- 宿題をやってこない子
- 空気を読めずに自分勝手にやる子(教師目線で)
というのは、
- しつけがきちんと出来ていない子
- やる気がない子
- 協調性がない子
とみなされ、
・黒板に名前を書かれて、給食袋をもってくるまでずっと消されない。(特性のタイプによっては、「自分だけがその教師に嫌われて、狙い撃ちにされて、みんなの前で恥をかかされた」という形の認知をしてしまいます。)
・みんなの前で毎日謝罪させられる。
・廊下に立たされたり、体罰を受けたりする。
という体験を数多くしています。
ほとんどの先生は悪気があってやっているのではなく、(悪気があって権力を振りかざすタイプもゼロではないのですが)、「こんないい加減だと将来社会で通用しない。今のうちに直して上げないと大人になったとき苦労する」という気持ちでしかったりしていました。ではそのようにして怒られた生徒たちはその後どうなったのでしょうか?
怒られた生徒のその後
そのようにして叱らられたりして育った子供が今現在どうなっているのか追跡調査をした研究があるのですが、調査の結果そのような子供が現在30-40代になってどうなっているのかというと、
ほとんどが引きこもりになっている
とのことです。この調査の結果としてわかることは、「特性の人の生活態度について社会人の目線で怒ったところでよくなることはないし、逆効果である」ということです。
頭ごなしはダメ
一般的には発達凸凹(特性)の人は頭ごなしに怒鳴られたりすることをかなり嫌います。
実は自分でよくわかっている
そして、多くの特性の人は「このままだと自分がやばい。本来はきちんとできないといけない。」ということはよくわかっています。だから自分が一番本心ではわかっている「今のままだと将来社会でどうするんだ!」というのを上から頭ごなしで怒られるのを一番嫌がります。
ハードルの高さを分割する
発達凸凹の人は、定型発達の人と比べれは社会人として社会で働くというのことに対してのハードルがどうしても高くなります。
そのハードルを一気に超えるのは難しく、ハードルの高さを何回かに分割して超えていく、ということが必要になります。